2024年に世界で起きたECサイト詐欺の被害額はおよそ6兆259億円で、2029年には約16兆746億円─141%増加すると推定されています。詐欺に共通した手口は「同じ購入者から短い期間に大量の注文が発注される」「何回も支払い手続きが行われる」「発注先の国と請求書送付先の国がちがう」といったものがあります。おおまかに詐欺の種類を見てみましょう。
- クレジットカード不正利用
クレジットカード不正利用は、クレジットカードやデビットカードを使って行われる詐欺行為です。不正に入手したクレジットカード情報で商品を購入し、その商品を「返品」し「返金」してもらうことで不正な利益を得ます。多くの場合は店舗が商品を発送した後やサービスを提供した後に返金が発生するため、返送手数料の問題から販売者の手元には商品が残らないことも多く、倍の損害を被ることにもなり得ます。
- フレンドリー詐欺(本人不正使用)
フレンドリー詐欺(本人不正使用)はチャージバック制度を悪用した詐欺行為で、チャージバック詐欺とも呼ばれます。銀行やクレジットカード会社は返金請求があると、カードの名義人に返金し、その返金額を事業者に請求します。カードの持ち主は、見覚えや許可なく引き落としがあった際にチャージバックを合法的に要求することができますが、それを利用したフレンドリー詐欺は、商品を購入してその商品を受け取った後、購入に覚えがないとクレジットカード会社に申告し、取引に異議を申し立てて返金を要求します。
- アカウント乗っ取り詐欺
アカウント乗っ取り詐欺は、個人情報盗難の一種で、犯人が顧客のログイン情報の詳細にアクセスし、いわゆるフィッシング詐欺で入手した情報を使って本人のパスワードや住所などの個人情報を変更して無断で買い物をする詐欺です。事業者はチャージバックやその他手数料を支払うことになる上に、被害者が情報漏洩に対する苦情を公の場で訴えると店の評判にも影響する可能性があります。